No.4
 

北方の異星・中本誠司   美術家 上原二郎


 彼の壯図は妖折によって中断されたかに見えるが、実はさにあらず、すでに完結されていた。

日本人のせんさいな美意識を打破する巨大な豪快な神経は早くから十分に発揮されていた。

我々凡俗は容易にそれを解することが出来なかっただけである。

岡本太郎も彼に比べれば通俗であり、てらいと偽善にみちている。

彼こそは将来にわったて日本の現代美術をめざめさせる者であった。

我々は彼の死後も彼によって導かれるところが多大なのである。

野人として土の中から立ち上がるはげしい力は縄文人にも似てたくましい。

新しい世紀にわたってまだまだ彼は先進にいる(彼はまだ生きていた。)。

ただ、ほとんどの日本人にはそれがわからないのである。 我々は彼の示した現代美術のやり直しを継がねばならないのだが 「いわゆる現代美術」のスター達とはまるで異なったこの荒々しい革新性をつぐことはほとんど出来ない。

彼は偉大な凡人(天才)野人としてそびえ立つ者であろう。

彼の作品の缺点をあざ笑う者が皆小人・卑俗タイハイ人であるのだ。

芸術の差し示す虚無をこそ学びとるべきであろう。

おそるべき異人であった。

2001.4.2 上原二郎(画家)

 

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